中小企業がIoTやDX（デジタルトランスフォーメーション）を進める際のハードルの一つが「高い導入コスト」です。しかし、国や自治体の補助金制度を活用することで、負担の軽減も可能です。この記事では、2025年時点のIoT関連の補助金制度と、実際にIoT導入で活用する際のポイントを解説します。
1. 2025年注目のIoT関連補助金制度
（1）ものづくり補助金（正式名称：ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金）
- 概要：中小企業の生産性向上に資する設備投資・システム導入に対しての補助金。
- 対象：製造業を中心に、革新的なサービス提供を目指す中小企業。
- 補助率：中小企業で最大1/2、小規模事業者は2/3。最大1,250万円まで補助。
- ポイント：IoTセンサーやデータ収集・分析ツール、クラウド連携システムなどが対象になる。
（2）IT導入補助金（デジタル化基盤導入類型）
- 概要：中小企業のIT導入・業務効率化を支援する補助金。IoT機器やSaaS導入にも対応。
- 対象：中⼩企業・⼩規模事業者等（※インボイス枠電⼦取引類型では、⼤企業も補助対象事業者に含む。）
- 補助率：補助額は最大450万円/者、補助率は1/2～4/5。
- ポイント：ITベンダー（IT導入支援事業者）と連携して申請する必要がある。
参考：中小企業庁
（3）事業再構築補助金
- 概要：業態転換や事業再構築を目指す企業に対する大型補助。IoT導入で業務の転換を図る場合にも活用可能。
- 対象：規模の拡大、強靭化、事業再構築に意欲を有する中小企業。
- 補助率：最大1億円。補助率は1/2〜2/3。
- 対象例：IoTによる新サービス提供、工場のフルデジタル化など。
参考：事業再構築補助金
2. IoT導入時の補助金活用戦略
（1）短期間で安価にPoC開発からスモールスタート
最初からフルスケールのIoT化を目指すのではなく、低コストのIoTセンサーなどを導入しデータを収集するところから始め、成果を見ながら徐々に拡張する方法が有効です。開発段階や規模に合わせて、IT導入補助金 → ものづくり補助金のように、対象となる補助金の種類も変わっていきます。
（2）申請前にやるべきこと
- 費用の内訳を明確にする（ハード・ソフト・導入支援など）
- どんな成果が見込めるか（生産性○％UPなど数値で示す）
- 専門家（商工会議所・支援機関）に相談する
（3）同業種の他社導入事例を参考にする
各補助金の公式ページでは、過去の補助金採択事例を掲載しています。同業種の採択事例を研究することで、自社製品に必要な改善点や補助金申請へのアピールポイントが見えてきます。
3. 補助金申請、よくある失敗例
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 書類の準備不足 | 書類が複雑で専門用語が多い | 商工会議所・支援事業者に早めに相談 |
| 計画の具体性がない | 「何を」「どう」改善するかが曖昧 | 定量的なKPIを盛り込む（例：稼働率20％UP） |
| 納期に間に合わない | 申請〜採択〜導入まで時間がかかる | スケジュールを逆算して行動する |
まとめ
IoT化やDXの導入は企業の将来への投資となりますが、一方で、高い導入費用が企業のIoT導入を阻んでいることも事実です。費用の一部を補助金でカバーすることができれば、リスクを抑えながら製品の藍発やD化を進めることができます。ぜひ、最新情報を逃さず賢く、IoT導入を進めていきましょう。
※本記事は2025年5月現在の情報です。
