IoT関連コラム

IoTの導入がなぜ進まないのか

IoTの導入がなぜ進まないのかイメージ

 今から7年ほど前に世界のIoT機器は128億あり、2020年には500億になっているはずと、大手通信機器メーカーが発表していましたが、2022年現在でもこの数字には至っていないと思われます。特に日本では近年、デジタル化が遅れており、さまざまな業務の非効率化がコロナ禍の影響で浮き彫りとなってしまいました。業務の効率化を担うのがIoTであるのですが、当初の想定よりも導入が進んでいないようです。それには大きく分けて3つの理由が考えられます。

1 費用対効果の見えにくさ

 IoTの導入は製造業だけではなく、サービス業も含めた幅広い業界で効果が期待できます。導入効果は大手企業だけではなく、中小企業にもたくさんあります。IoTやDXという言葉に反応し、「うちもIoT化(DX化)をして効率化をしないといけない」「販売する商品をIoTに対応したい」と考えている経営者は多いのですが、具体的にIoT化をすると、どのコストがどれくらい下がるのか?という試算が難しいケースが多くあります。図1は少し古い資料ですが、IoTの前身であるM2Mの効果をまとめた資料です。上の方が導入に対する直接的な効果で、下の方が間接的な効果です。上の方が費用対効果は分かりやすいため、比較的、導入がスムーズにいきます。一方で間接的な効果は費用対効果が見えにくく、中小企業ではよほど経営的な余裕がなければ、導入にはなかなか踏み切りにくいです。

【図1】IoT導入の効果
【図1】IoT導入の効果
出典:日経エレクトロニクス「M2M発見」2014年1月6日号

2 導入の難しさ

 2番目に導入の技術的な課題があります。IoTの構成は様々なモノにセンサーなどを取り付け、それをネットワークと接続し、センシングしたデータをサーバーで分析するという使い方が一般的です。そして、導入を検討している業界は多種多様で、先ほどの図のようニーズも幅広くあります。そのため、何のデータを取るか?によって利用するセンサーが異なります。データを取得する場所(屋内、屋外、電波環境)によって通信方法が変わります。そしてデータをどう解析して使うか?も検討する必要があります。IoTではこのように様々な技術をシームレスに扱う必要があります。そのため、各パート毎に専門的な知識が必要とされるのです。そして中小企業にこれらのエキスパートを全て抱えるのは非常に難しく、かといって外部からこれらの技術を集めてマネージメントするのも困難です。

【図2】IoTの導入にはそれぞれの専門家の知識が必要になる
【図2】IoTの導入にはそれぞれの専門家の知識が必要になる

3 データ連携の壁

 3番目にデータ連携の問題があります。IoTで得られたデータを活用し、既存のビジネスに反映するためには、既存のシステムとの連携が必要になるケースがあります。例えば、データ量や利用時間に応じて請求を行うようなケースでは、収集したデータから請求額を計算するような仕組みが必要になります。これを人が介在して行っていたのでは、せっかくIoTを導入しても、効率化が半減してしまう可能性もあります。これらの一連の流れは全て自動化されるのが理想的です。つまり、IoTシステムから基幹システムまでがシームレスに連動している必要があります。日本企業では様々な基幹システムを導入しており、これらと連携するのは容易ではありません。

【図3】IoTシステムと既存の基幹システムとの連携の難しさ
【図3】IoTシステムと既存の基幹システムとの連携の難しさ

 以上のように、IoTの導入には「費用対効果」「技術」「データ活用」といった様々な課題が潜んでいます。このような課題があることがわかると、どうしても中小企業は目の前の仕事で手一杯でなかなか導入に踏み切れなくなってしまうのではないでしょうか。では、これらを全て外部に丸投げすれば、目が飛び出るような高額な見積もりが提示されてしまいます。

 「iot-mos」はこれらの課題解決に取り組みます。iot-mosはIoT製品の試作から量産・サービスまでを統合した環境を提供するIoTプラットフォームです。 センシングデバイス、クラウド、スマートフォン、スマートスピーカーなどを使ったシステム構築サービスを統合的にご提供します。 お客様のニーズに合わせた柔軟なIoTシステム構築が安価に実現できます。

iot-mos
TOPへ戻る